11月最後の週末を目の前にした金曜の夜、テレビの天気予報を見た筆者は逡巡していた。気象予報士は、喜ばしくない予想を淡々と伝えていた。

 「明日は冬型の気圧配置が続き、冬本番の寒さになります」

 参ったな。あまり寒くなっては困るのだ。

 明日からキャンプに出る。もちろん寒いのは覚悟している。それなりの準備もしているが、それでも小春日和でのアウトドアを期待したかった。

 筆者は重装備のキャンパーではない。アウトドア用の薪ストーブや電源、電気毛布など手厚い採暖手段を備えているわけではない。カッコよく言えばポリシーだと半分くらいは言いたい。できるだけ便利な物に頼りたくないのだ。でも、残り半分、予算をあまりかけられないことの方が本当は理由としては大きい(薪ストーブはいつかほしい)。

 そんな筆者はそれでも、今年初の冬キャンプに向けて、お金をあまりかけないながら、いくつかの寒さ対策を立てていた。それが、よりによって寒波襲来という冬将軍の胸を借りて、その有効性のほどを試す格好になったわけだ。

 さあ、その対策とはどんなものだったのか。実際に試した結果と共に、一つひとつ紹介していきたい。

■寒さ対策その1 標高があまり高くないながら野趣溢れるキャンプ場を厳選

東京から車で90分、黒坂オートキャンプ場
黒坂オートキャンプ場は、甲府盆地を見渡す小高い山の標高530m付近にある

 一つ目は、当たり前といえば当たり前だが「標高があまり高くないキャンプ場」を選んだ。標高が高ければ気温は低くなる。それならば、あまり高いところに行かなければいい。筆者の住む多摩地区から考えると、中央自動車道でアクセスできる甲府盆地周辺のキャンプ場などが狙い目だ。

 選び出したのが山梨県笛吹市の「黒坂オートキャンプ場」。公式サイトを見ると標高530mとあり、自ら「極端な高地ではない」としている。と言っても山を切り拓いてサイトを形成しているので野趣は十分だ。

里山に切り拓かれたキャンプ場という雰囲気の黒坂オートキャンプ場

 ちなみに、冬季は高地にあるキャンプ場はそもそも閉鎖しているところが多くなる。そこでネットで少し調べてみると、通年営業している山中湖や河口湖あたりの施設だと標高は大体1,000m前後。清里となると標高1,200〜1,300mくらいとなり、1〜2月は閉まる施設も多いようだ。

 さて、チェックイン当日の午後2時、現地に着く。目的地の山あいは紅葉に染まる里山の風情。秋色の陽だまりに包まれると、寒さは予想通り高地の厳しさではなく、また予報ほどでもないかなと感じた。予約したのは「プライベートサイト・ラージ」。

 車2台、テント2張、タープ1張のスペースが十分あり、大人3人で借りて計6000円であった。足元を埋める、黄金色の落ち葉をかき分け、かき分け、サイトを構築するのもなかなか楽しいものである。

黒坂オートキャンプ場では山の地形を生かしてサイトが形成されている
ヘキサタープを2つのテントで挟んで風よけにした