4月16日深夜、キャンプ場内の木が倒れ、テントの中にいた若い夫婦を直撃するという痛ましい事故が起きた。20代の妻が下敷きになって死亡し、一緒にいた夫も重傷。駆け付けた警察は木が根元から倒れていたことから「根腐れ」の可能性も含めて調査と報道された。

 キャンプ場のある相模原市(神奈川)では市営2施設のほか、18か所ある民営キャンプ場を対象に倒木の危険性や枝枯れの有無を確認。すぐに倒れそうな木はなかったが、枝枯れが9本あり、ただちに伐採することになった。

 実はその1週間前、米国でもマスターズゴルフで松の大木3本が強風で根元から崩れ落ちる似たような事故が発生していた。米メディアは「信じがたい光景」と映像で伝え、大勢の観客が事故の恐怖を口々に証言した。

 見た目にはなんの変哲もない樹木が突然倒れて人身事故につながっている現実に直面すると、キャンプ場内には想像以上のリスクが潜んでいることがわかる。

 今回はそういった認識のもと、改めてキャンプ場に潜むリスクの数々をチェックしておきたい。

■キャンプ場に着いたら、まず周辺の環境を確かめる

 先の倒木事故からもわかるように、テントの設営では周囲の木の点検が不可欠だ。近い距離から葉の色を見て異常はないか、樹皮が剥がれていたり、虫食いなどで穴が開いていないか、枝分かれしていないかを目で確かめ、さらに手で触って確認してみる。

 気になる点が見つかったら、放っておかずに管理棟に知らせておくのを忘れずに。

■頭上の安全もチェックしているか、枯れ枝が落下する恐れはないか

 倒木までいかなくても、枯れ枝が落下して思わぬケガにつながることもある。先の事故では周囲にいた人が「メキメキと音を立てて倒れた」「バキバキと音を立てながらゆっくり倒れ落ちた」と、倒木の様子を伝えている。

 こうした現象は樹木の枝枯れ、根腐れなどを重点に、昼間のうちに注意深く目視チェックしておけばわかったこともあるはずだ。

■テントの入り口は風が吹き込まない方向に置かれているか

 テントは風の通り道、つまり風向きを計算に入れて決めているだろうか。うっかり出入り口を風上にしてしまうと、風が吹き込んでテントの中にゴミや砂が入ってしまう。下手するとテントが吹き飛んでしまう原因にもなりかねないため要注意だ。

 テント設営前に、平らな場所にインナーテントを広げ、必ず入り口が風下になっているかを確かめよう。ベテランキャンパーでも、面倒がらずにやってほしい。