今や、ペットボトルの代わりに「マイボトル」や「マイタンブラー」を携行するのは、すっかり一般的になりました。しかし、せっかく手に入れたのはいいものの、重さや大きさがネックで持ち歩くのが面倒になり、結局ペットボトルに逆戻り。ボトルやタンブラーは食器棚の肥やしに……。なんて方も少なくないでしょう。

 そんな問題を解決するのが、近年注目を集めている「アンチボトル」と呼ばれるタイプのボトルです。折りたためるほど薄くて軽いうえ、繰り返し使える再生可能な素材で作られており、利便性と環境への優しさを兼ね備えたギアなのです。

 普段使いはもちろん、アウトドアや旅行にも便利なアンチボトル。いくつか有名なブランドはありますが、ここではアメリカの折りたたみ式ボトル市場でトップシェアを誇るブランド「Vapur(ヴェイパー)」の製品を例に、登山やキャンプでの使いやすさを検証してみましょう。

■最大のメリットは、軽量&コンパクトなこと

1Lサイズ(左)と0.5Lサイズ(右)を折り畳んだ状態

 まず、通常のボトルと比べて一番のメリットは、軽量でコンパクトなことでしょう。

 中身が入っていない時には、平らに折りたたんだり、丸めて付属のカラビナで固定するなどして、コンパクトに持ち運びができます。収納時の大きさは手のひらほどです。

 重さは1Lサイズで約42g。アウトドアでよく使われてきた水筒の代表格、ナルゲンボトルの1Lサイズが約180gと考えると、いかに軽いかがわかります。

■そのまま冷凍可能。耐熱温度も100℃まで

凍らせて登山に持っていくと、山中でちょうどよく溶け始めました

 素材は、BPAフリーの環境に優しく、ニオイが滞留しづらいポリエチレンを使っており、なんとそのまま冷凍することが可能です(耐冷温度-15℃)。暑い日には凍らせたまま持ち歩き、飲み物を足しながら飲むような使い方ができます。

 また、薄い見た目に反して耐熱温度も100℃と熱湯を注いでもOK。寒い時期にはお湯を入れてシュラフに突っ込んでおけば、湯たんぽ代わりにも使えますし、食洗機でも洗えちゃいます。

■中身が少なくても自立する構造

ここまでしっかりマチがあるタイプは珍しい

 アンチボトルの素材はペラペラの薄さが1つの特徴ですが、ボトム部分にマチが付いているタイプを選べば、水を入れて自立させることができます。キャンプや登山の調理時には、ボトルが立つか立たないかは重要事項。寝かせたままの状態になると、貴重な水が漏れ出てしまったり、泥や砂で汚してしまったりするからです。

満水時はもちろん、中身が少なくなってもしっかり自立します

 ヴェイパーのアンチボトルは、ボトムのマチがかなり広く、素材にしっかりハリがあるので、中身が少なくなってからも自立する優れもの。注ぎ足したい時にも便利な特徴です。