夏の登山は、午前中涼しいうちに登山を終えて、午後からはのんびり過ごしたい。今回筆者がおすすめするのは、最寄り駅から往復3時間半ほどで登れる、初心者でも安心して楽しめる山。しかも山頂からの景色がよいときた、そんな関西の低山を紹介する。

■駅から1時間25分で、大阪市内まで見渡せる神が宿る山頂へ「交野山・大阪府交野市」

見えるのは交野山の観音岩

 大阪府交野市(かたのし)にある「交野山(こうのさん・標高341m)」は、神が宿る山として古代より崇拝されてきた。「交野山の来光」は交野市を象徴する八つの景観「交野八景」にも選ばれ、山頂には仏に見立てられた巨岩「観音岩」が聳え立つ。

 観音岩の上へ登ると眼下に大阪の絶景が広がり、その解放感に圧倒されるはずだ。この解放感が気持ちよく、筆者はよくここで山メシを作って食べる。

 今回、紹介するのは「交野八景」の一つ「源氏滝の清涼」を通るルート。JR学研都市線(片町線)「津田駅」から25分ほどで源氏の滝へ到着する。マイナスイオンを浴びながら、さらに滝の奥へ登山道を進んでいくと、滝から1時間ほどで交野山の山頂だ。

 駅から往復2時間半ほどで、源氏滝の清涼と大阪の絶景が味わえるおすすめのルートだ。

JR学研都市線(片町線)津田駅→《25分》→源氏の滝→《1時間》→交野山→往路を戻る《1時間10分》→JR学研都市線(片町線)津田駅

●【MAP】交野山

■駅から2時間で京都の街が一望「大文字山・京都市」

京都大文字山、山頂からの景色

 おすすめの山、2座目は「五山送り火」で有名な京都、大文字山(だいもんじやま・標高465m)。五山送り火は毎年8月16日、お盆の翌日に行われる京都の伝統行事。もとは松明の火を空に投げて精霊を見送っていたものが、いつしか山に点火されるようになったそうだ。

 今回紹介するのは、京都市営地下鉄東西線「蹴上駅(けあげえき)」から歩き始める往復約3時間35分のルート。1番出口から地上に出ると、ねじりまんぽと呼ばれる煉瓦造りのトンネルがある。

 そこをくぐって31番と番号が書かれた「京都一周トレイル標識」に従って大文字山山頂を目指す。登山道は整備され、随所に番号が書かれた標識があるので道迷いの不安は少ない。

 山頂は広く、手作りの木製ベンチが設置されており、空気が澄んだ日には京都市内はもとより、大阪市内まで一望できる。

 山頂からは多方面にルートが延びているため、着いたらまず下山する方向を確認しておこう。

 京都市営地下鉄東西線「蹴上駅」より登り約2時間、下り約1時間35分

●【MAP】大文字山