近年のキャンプブームの裏側で、世界的に静かな盛り上がりを見せている「ブッシュクラフト」をご存知でしょうか。ブッシュクラフトとは、「シンプルな道具を用いて、自然の中にあるものも素材として利用するキャンプスタイル」のこと。野外での生活に必要なスキルや知識を学ぶ、とても自然に近いアクティビティ(遊び)です。

 今回紹介するのは、ブリティッシュブッシュクラフト(BBC)の2人も、そんなブッシュクラフトの世界の住人。リー・イジット(Lee Issitt)さんとスティーブン・ライリー(Steven Reilly)さんによるユニットだ。2人は主に関西を拠点に活動し、インストラクターとしてブッシュクラフトにまつわる様々な講習会を催しています。

 2人のキャンプスタイルと考え方について、お話を伺いました。

左がスティーブンさん、右がリーさん。自作のキリモミ式着火装置で火口を作っているところ

■今思えば、原点は子どもの頃の遊びの中にあった

 イングランドのほぼ中央に位置する古都・レスター出身のリーさんは、子どもの頃から野山を駆け回り、動物の罠を仕掛けたり秘密の基地を作って遊んだり、野外での遊びに明け暮れていたという。

手作りしたキリモミ式の美しい着火道具。奥にあるのは予め用意した干し草だ

 「子どもの頃はほぼ毎日のように友人と一緒に森や原っぱに行って遊んでいたよ。動物を捕るための罠を作って仕掛けたり山小屋で遊んだり。その時は気付かなかったけど、今思えばあれはブッシュクラフトのスキルだったね。ずっとインドアよりアウトドアが好きだよ」

白樺の皮を下に敷き、杉とセイタカアワダチソウの茎を擦り合わせて火口にする

 2009年に初来日したリーさんは、すぐに日本の自然に魅了されたそうだ。一旦英国に戻り、北欧ブッシュクラフトの流れを汲む「フロンティア ブッシュクラフト スクール」で学んだ。日本に戻ると、今度は日本のブッシュクラフトの第一人者である、川口拓氏の主催する「ジャパン ブッシュクラフト スクール」で学び、外国人初の認定インストラクターになった。

森で採った蔓を枝で叩いて柔らかくし、ロープとして使う

 「ブッシュクラフトには、こうしなくちゃいけないっていう決まりごとはないんだ。狩猟も蔓でかごを作るのも、すべてがブッシュクラフトの一部。本当にいろいろなジャンルがあるから、興味のあることから少しずつ始めて、だんだんと広げて行けば良いと思うよ」

干し草を鳥の巣のように丸めたものに火口をおいてゆっくりと息を吹きかけて着火させる

 「たとえば、以前は猟師だったけど、そこからブッシュクラフト好きになった友人もいるし、元々は登山が好きでそれを機にブッシュクラフトにハマった友人もいます。きっかけはなんだって良いんだよね」

 ブッシュクラフトの間口の広さと寛容さは、様々な興味や好奇心を受け入れてくれる。テクニックはもちろんだが、その人の興味やレベル次第で、やり方もやれることもたくさんある。そんなことも伝えたいと言う。