冬の雪山アクティビティといえば、スキーやスノーボード、雪山登山であるが、これらを楽しむためには装備や体力、知識や経験が必要。ハードルが高いと思いつつ、この時期ならではの白銀の景色や雪上散歩に興味がある人は多いのではないだろうか。

 筆者も本格的な雪山登山はレベル不足で挑戦できないものの、雪の上を歩いて楽しみたいという気持ちがあるのは事実。

 そんな雪山入門におすすめな場所が、北八ヶ岳山麓にある「坪庭自然園」だ。坪庭自然園(坪庭)は、北八ヶ岳にあって、山麓駅から通っている「北八ヶ岳ロープウェイ」の山頂駅付近に位置する国定公園のこと。自然がつくり出した溶岩台地で、季節ごとに高山植物が咲いたり雪景色を楽しめたりする、年間を通して人気の散策エリアだ。

 ロープウェイで一気に標高2,237mまで駆け上がり、白銀の世界と「八ヶ岳ブルー」と呼ばれる濃い青空を眺めながら雪上散歩を体験できるのが坪庭の魅力だ。坪庭には危険箇所が少なく、スノーシューやアイゼンで雪の上の散策を楽しめ、1時間程度で周遊できるので雪山初心者でも挑戦しやすい。

 今回はそんな北八ヶ岳の坪庭で楽しめる、スノートレッキングの魅力やルートを紹介しよう。

■ロープウェイに乗って雪の散策路へ

ロープウェイから眺める雪化粧の八ヶ岳

 雪の散策路、坪庭の玄関口は、中央自動車道・諏訪ICから約50分の位置にある「北八ヶ岳ロープウェイ」だ。この冬は12月16日から2024年4月7日まで運行を予定しており、駐車場は無料で600台停めることができる。トイレや更衣室などが併設されているので、ここでしっかり寒さ対策と雪の装備を整えてから、ロープウェイに乗り込もう。

 ロープウェイは100人乗りの大型サイズ。標高1,771mの山麓駅から標高2,237mの山頂駅まで約7分で一気に駆け上がれる。ロープウェイの中からの景色も圧巻だ。

山頂駅でアイゼンやスノーシューを装着して雪上散歩に挑もう
山頂駅は登山客で賑わっており、至るところに標識がある

 山頂駅に降り立つと、一面の雪景色と濃紺の八ヶ岳ブルーが出迎えてくれる。ここでスノーシューやアイゼンなどを装着しよう。筆者が以前、1月に訪れた際には雪が90㎝ほど積もっており、持参した軽アイゼンを履き、軽く準備運動をして雪上散歩へ挑んだ。

 坪庭の「散策周遊コース」は1周1kmほどで、雪道でも1時間程度で周遊することが可能。天気がよければ眺めも素晴らしく、雪化粧した辺りの森を一望できる。

天気が良ければ八ヶ岳ブルーの下、開けた眺望を楽しめる
しばらく歩いて森の中に入っていく