「熱すぎて耐えられない」「息苦しい」「肌が痛い」「髪が傷む」という理由でサウナを苦手とする人は多い。それもそのはず。日本のサウナは高温・低湿度の“ドライサウナ”が主流だからだ。

 しかし、そんな人たちでも虜にしてしまうのが、中温・高湿度の“フィンランド式サウナ”の世界。特にテントサウナで楽しむフィンランドスタイルは、サウナが苦手な女性からも高い支持を得ている。

 その理由は一体なんなのか? 自身の体験談から探ってみようと思う。

■サウナは苦行だと思っていたあの頃

 かつての僕はサウナが苦手だった。というか、なぜ好んであんな苦行をしているのか理解ができなかった。

 好奇心から何度か挑戦してみたが、息苦しいし、熱さに耐えきれずに3分ともたない。外に出ても水風呂なんて命の危険すら感じる冷たさで、足先を触れるだけで「ごめんなさい!」と浴場を出てしまう始末。サウナは自分には一生縁のない世界だと思ったものだ。おそらく、そんな人はいっぱいいるだろう。

 その頃は、サウナにもいろいろな種類があることなんて知らなかった。僕が息苦しくて苦手だったものは、いわゆる「ドライサウナ」で、室温が約80〜100℃、湿度が約10〜15%で、カラカラ熱々の設定のものだったのだ。もちろん人によっては、この“昭和ストロング”と呼ばれる日本式サウナが大好物な人がいる。だが、そのカテゴリーは僕には合わなかったのだ。

ドライサウナのイメージ。逆にこれじゃなきゃダメって人も多い