真冬の雪中キャンプに行きたいと思ったことはあるだろうか。

 雪が深々と降り積もる雪中キャンプの静かな夜。「パチッパチッ」と薪が爆ぜる音、吐く息で冷たく濡れる鼻先、焚き火で溶かしながら飲む、凍り始めた缶ビール。雪中キャンプの醍醐味は、五感で自然を感じられる点ではないだろうか。

 寒ささえも楽しめる雪中キャンプは、夏のキャンプとはひと味もふた味も違う。寒ければ寒いほど乾燥するため、視界はクリアになり、雪が音を吸収し想像を上回る静寂が楽しめる。筆者は寒ければ寒いほど、雪が深ければ深いほど、雪中キャンプが楽しいと感じる。

 今回は雪中キャンプにハマって6年目の筆者が、北海道でも人気のキャンプ場で2桁の氷点下の中で過ごした様子を紹介しよう。

■夜の楽しみ!  アイスキャンドルを作る

 全道的に暖かかった2月の後半、寒さを求めて札幌から片道1時間半のキャンプ場に向かった。札幌でも記録的な暖かさでプラス12℃まで気温が上がった翌々日。キャンプ場でも所々に芝生が見えていた。

 とはいえ気温はマイナス6℃。風邪を引かないように焚き火を楽しみつつ、暖をとった。

キャンプ場到着後、早速焚き火で暖をとる

 体が少し温まったところで、夜を楽しむ準備をはじめた。アイスキャンドル作りだ。作り方は簡単で、適当な高さに切った牛乳パックに細めの缶(250mL缶など)と水を入れて固定し、雪に埋めるだけ。水が凍ったら缶を抜き、型がとられた氷の内側に蝋燭を入れると美しいアイスキャンドルのでき上がりだ。

気温はマイナス6℃。凍るのには時間がかかりそうだ

 実はこの日が初挑戦。夜までに凍るのか心配だが、これで夜が楽しみになった。

■写真映えはするが、ご用心。雪に入れてはいけないアレ

 雪中キャンプでやりがちなのが、雪の中でビールを冷やす儀式。見た目はよいのだが、実は注意が必要だ。

 なぜなら、ビールはマイナス3℃から凍り始める。雪の中に埋めようものなら、すぐにカチンコチンになってしまう。そんな時は焚き火で溶かしながら飲むのも楽しいが、やはり適温で飲みたいところ。

 では、凍らせないためにはどこに保管すればいいか。答えはクーラーボックス。夏のキャンプとは違い、雪中キャンプではクーラーボックスは「冷えすぎて凍らないようにするための装備」。凍らせたくないものを入れておこう。

雪上で冷やすと、すぐに凍り始めるので要注意