2月18日(日)、富山県黒部市の宇奈月スノーパークで、SKIMO(スキーモ)の日本選手権が開催された。季節外れの暖かさのなか、会場では選手たちの熱い闘いが繰り広げられた。

 「SKIMO」とは、Ski Mountaineeringの略で、雪山の決められたコースをスキーで登り、滑るスピードを競うスポーツである。以前は「山岳スキー競技」「山岳スキーレース」などと呼ばれていたこともあった。ヨーロッパアルプスの国境警備隊のトレーニングが発祥とされ、特にヨーロッパでは人気が高い。日本ではまだまだ馴染みが薄いが、オリンピック競技となった事を機に注目が集まっている。

 今回、富山県黒部市の宇奈月スノーパークで開催されたのは「インディビジュアル」種目。SKIMOにはいくつかの種目があるが、厳しい山岳エリアを含むコースで、比較的長距離で行なわれる「インディビジュアル」は、SKIMOの花形種目と言える。

※「インディビジュアル」は元来の“SKIMO”の基本となる種目で、オリンピック種目である「スプリント」「リレー」と共に最後まで候補種目に残っていた。

ゲレンデコース外の非圧雪斜面を使って行われるインディビジュアル種目

 出走した選手は36名。日本勢のほか、韓国のナショナルチームの選手も参加していた。宇奈月温泉街の中心地でスタートを切った選手たちは、スキーを背負ってスキー場へと上がった。雪がある林道からはスキーを履き、スキー場の上部エリアへ。上部には、シール登高や、ブーツ登高、滑走などのコースが設定され、そこを周回する。

 海に比較的近い宇奈月温泉は、標高が低いという地理的な特徴がある。雪不足はなんとか免れたものの、前日に試走した選手からは「雪が重い」「雪面の変化が大きく滑りが難しい」といった声も聞かれた。加えて、大会当日は朝から晴れて気温が上がり、4月並みの陽気となって(※宇奈月に近い朝日町では正午に12.9℃を観測)、選手にとって厳しいコンディションとなった。

シニア女子で優勝した田中友理恵選手。昨年に続き二連覇
滑走区間には旗門もある。疲労の溜まった脚で滑走するのは負担も大きい
登りから滑走の切り替えでは、シールを剥がす素早さも見どころ