■「この天気図にピンときたら」 冬の嵐にご用心

 冬の嵐にはくれぐれもご用心を。晴れた時はキラキラと輝く美しい雪景色でも、急に天候が荒れると前が見えないほどの吹雪となり、あっという間の積雪で身動きが取れないなんてことに陥るかもしれない。命の危険まで感じるだろう。

 関東生まれで、積雪の怖さを知らずに生まれ育った筆者が、冬の嵐による手痛い洗礼を受けて以降、ダントツで気を付けている天気図2つを紹介する。

 「この天気図にピンときたら」、レジャーは次のお休みに延期だ。

晴れていれば天国の志賀高原スキー場

■①「冬の台風」とも! 爆弾低気圧

大きく成長した爆弾低気圧(気象庁ホームページより)

 温帯低気圧のうち、度々冬に災害をもたらしてきたのが、「冬の台風」とも呼ばれる「爆弾低気圧」だ。冬場の日本付近の北西太平洋で発生・活発化しやすく、中心気圧が24時間で24hPa(ヘクトパスカル)以上低下するもののことを指す。

 北アルプス周辺で発生した場合は、やがて大成長し、最後は北海道上空で台風並みの大嵐となることもあるのだ。①の天気図の低気圧は2023年12月17日、1000hPaを切って台風並みに成長している。

 北日本や東日本を中心に局所的な豪雪や突風などを引き起こしており、各地に住む人々が最も注意するべき天気として恐れている天気図といえる。

■爆弾低気圧下の志賀高原スキー場

 筆者はある年の年末年始、家族で長野県にある「志賀高原スキー場」へ訪れた。4泊5日の日程。晴れればいいな! と思って行ったが、天気は大荒れでスキー場は半分以上がクローズ。その犯人が「爆弾低気圧」だった。

悪天候下の志賀高原スキー場にて

 滞在中の4日間ずっと吹雪で何も見えない。スキーだけでなく散歩まで、外でのアクティビティ全般は絶望的と感じる天気だった。熊の湯の温泉と、ゲレンデの食事だけを堪能して時間だけが過ぎていく。最後の日くらいは晴れて欲しいと思っていたところ、願いが通じて素晴らしい晴天に出会えた。

何もかもが凍る寒波の渋峠スキー場

 強風が雲を蹴散らして青空が顔を出す。今まで見えなかった風景が一気に見え始めた。恐るべき爆弾低気圧は、樹木や建物に至るまで、志賀高原の何もかもを凍り付かせていた。

 この日の午後一杯晴れたお陰で雪が少し溶けて、柔和な雪景色の夕暮れの時間が始まった。美しい風景を見ることができて、最終的にはとても幸せな時間となった。

最後の日に見られた志賀高原スキー場からの美しい雪景色