1月下旬、スキーシーズンもいよいよ佳境ですね。全国的に今季最強の寒波に覆われ、各地で雪が降り積もりました。雪不足に悩んでいたスキー場、そしてゲストたちにとって恵みとなる雪です。さすがは1月「Japow」の真骨頂というところでしょうか。海外のゲスト達からもうれしい悲鳴が聞こえてきそうです。

 しかし、大雪によって増えるリスクもあります。今シーズンもすでに事故が何件か報告されていますが、後から報道するより未然に防げる事故は防ぎたい。そう思っての注意喚起です。

■転けても痛くないパウダースノーだけど埋まると大変!

パウダー滑走は、仲間と共有するとより安全で楽しくなります(写真:志賀高原 焼額山スキー場)

 まとまった降雪の後、または降雪中に滑る新雪(深雪)滑走は非常に気持ちのいいものです。一度ハマると病みつきになってしまうような浮遊感があります。しかし、同時に通常のゲレンデを滑るのとは違ったリスクも存在します。

 スキーやスノーボードを外して雪の上に立つとすっぽりと深く埋まってしまうような場所は要注意です。転倒時に頭から埋まり窒息してしまう事故が毎年のように起きています。転倒しても優しく包み込んでくれる柔らかい雪ですが、いざ埋まると身動きがとれません。頭から雪に刺さると呼吸もできず本当に苦しいです。視界もありません。特にスノーボードで仰向けに転倒した時は、上下すらわからない時もあります。これが原因で亡くなった知人もいますし、非圧雪コースの森の中で埋まっていた(遭対協として捜索して)行方不明者を数日後に発見したこともあります。いずれも初心者ではなく、エキスパートと呼べる腕前の人たちでした。

パウダーで頭から転倒すると大変です。写真のように頭からスッポリと埋まるとかなり危険(写真はイメージです)

 警報級の大雪が降った時は十分に用心して、雪が溜まっているところは避けるのがベストですが、それを楽しみにスキー場に訪れる人も数多くいます。最低でも2人以上で離れずに滑走し、お互いに常に見守るくらいでもやり過ぎではないかと思います。滑走は激しい運動です。息の上がった状態で雪に埋まるとわずかな時間で意識を失うようです。かく言う筆者も昨シーズン、頭から雪に中に突っ込み身動きが取れなかったところを同行者に助けてもらいました。