麓の田んぼから見る筑波山。まわりには展望を遮るものが無いように見えるが、果たして山頂は!?(撮影:山歩ヨウスケ)

 季節は初夏へと移り、冷たい飲み物をおいしく感じるようになってきた。この時期の登山といえば山頂から眺める雄大な山々の景色も魅力だが、どこまでも続く壮大な平野を眺めるのもおもしろい。関東にも「地球規模」の壮大なスケールを感じることができる山があるので紹介したい。

■日本百名山でもっとも標高の低い山「筑波山」

筑波山頂駅周辺にはトイレや軽食を楽しめる施設がある。奥に見えているのは男体山

 筑波山は茨城県つくば市にある山で、日本百名山の一座として選定されている。百名山の中ではもっとも標高が低い山で、標高は男体山が871m、女体山が877mである。

 麓には筑波山神社が鎮座し、山全体を御神体とする霊峰としても知られている。

■ケーブルカー、ロープウェイが運行されていて登りやすい

つつじヶ丘駅と女体山駅を繋ぐロープウェイ

 筑波山ではケーブルカーとロープウェイが運行されており、それらを利用して山頂付近まで行くことができる。そのため百名山の中でも登山の難度は低く、一年を通して多くの人が訪れている。

 もちろん、体力や時間に余裕のある人はケーブルカーなどを利用せずに周回すれば歩きごたえを感じることができるだろう。

■山全体がパワースポット! 道中に出現する奇岩・巨岩の数々

「弁慶七戻り(べんけいななもどり)」 古くから神々の世界と現世を分かつ場所とされてきた石門

 筑波山は山全体が御神体となっていることからパワースポットとしても知られている。麓のつつじヶ丘駅駐車場から山頂を目指すと道中には多くの奇岩・巨岩が鎮座しており、弁慶が恐れ、7回戻ったとされる「弁慶七戻り」や「母の胎内くぐり」、「北斗岩」、「ガマ石」など、次々に現れる岩の由来や言い伝えなどを楽しみながら歩くことができる。