寒暖差が激しく、気温が下がるといつも以上に寒さを感じる今年の冬。キャンプや登山ではもちろん、日常生活の防寒対策として、ダウンジャケットを着用する人も多いだろう。だが、そのダウンジャケット、正しい方法で保管しているだろうか。あまり知られていないことだが、帰宅後にハンガー干しで収納すると、保温性能を低下させる場合がある。より良い状態で長く着用し続けるために、正しい保管方法を伝えようと思う。

■ダウンジャケットは湿気を含む

帰宅後はダウンジャケットの状態を確認しよう(撮影:タカマツミキ)

 帰宅後のダウンジャケットは、汗や外気の水分などを吸収しており、湿気を含んだ状態だ。この状態のまま収納すると、ダウン本来が持つ保温力の低下はもちろん、最悪の場合にはカビが発生する。ではどうしたらいいのかというと、しっかりと乾燥させること。ただし、着用後のダウンジャケットの状態によって、乾燥方法が異なるため、今一度ダウンジャケットの正しい乾燥・保管方法を紹介しようと思う。

■濡れた状態のままハンガーで吊るすのはNG!

ダウンジャケット用に太めのハンガーを数本ストックしておくと便利(撮影:タカマツミキ)

 帰宅したらとりあえずハンガーに吊るして干す……、という人が多いだろう。ジャケットの表面が少し濡れているくらいで、中の羽毛が濡れていない場合は、ハンガー干しはOK。使用するハンガーは、羽毛の偏り防止のため太めのものを使おう。

 ただし、注意して欲しいことは、中の羽毛が濡れた状態でのハンガー干しは完全にNGということ。この状態でハンガー干しをすると、中の羽毛が偏った状態で乾燥してしまう。羽毛はふわっと広がることで保温力を発揮するのだが、偏った状態だと羽毛が広がらないため、ダウン本来が持つ保温力が発揮できなくなるのだ。

■「平干し → 叩く → ハンガー干し」が正解!

羽毛をほぐすようイメージしながら、優しく叩く(撮影:タカマツミキ)

 濡れた状態のダウンジャケットは、平干しで乾燥させるのが正解。そして、8割ほど乾燥したら、ダウンジャケット全体を叩いてほしい。叩くことで、固まって乾燥した羽毛がほぐれるからだ。この一手間で羽毛一つひとつがふわっと広がり、本来の保温力が発揮できるようになる。そのあとは、太めのハンガーに吊るし、湿気の少ない場所で完全に乾燥させよう。ちなみに、着用し続けてダウンが偏ってしまった場合も、叩くことで羽毛同士がほぐれ、ふわっとした状態に戻すことができる。

セーター用の平干しアイテムを使用(撮影:タカマツミキ)