この冬もスキースノーボードを楽しむ人たちでスキー場は賑わっています。最近では安全への意識が大きく変化し、ゲレンデを滑る一般のゲストや働くスタッフにもヘルメットの着用が常識化してきています。

 ヘルメット着用をしていると浮かぶ疑問。それはゴーグルをヘルメットの上にするのか、下にするのかということ。どちらのスタイルもスキー場では見かけますが、正解はあるのでしょうか? アスリート目線、保護者目線、それぞれから意見を聞いてみました。

■アスリートと保護者、それぞれの考え方は?

上野マナミさんはゴーグルはヘルメットの外に着用

 スキー・スノーボードをする際に身体の各所を守るプロテクター類は多数存在します。とくに頭部を守るためのヘルメットは特に大切なアイテムです。悲しい事故に繋がらないよう、安全意識の高い方を中心に着用率が上がっています。そこで気になるのが、ゴーグルはヘルメットの上か、下かということ。つまり、ゴーグルをしてからヘルメットを被るのか、ヘルメットの上からゴーグルをするのかということです。オリンピックなどの国際的に権威のある大会での映像を観ていても選手たちには両方のパターンがあります。

 以下、3人の元オリンピック選手に意見を聞くことができたので紹介します。

●元オリンピック選手たちからの意見

 2014年、ソチオリンピックフリースタイルスキー・ハーフパイプに出場された上野マナミさん(出場時は三星マナミさん)。「選手の時はスタイル重視でヘルメットの下でした。ヘルメットの上につけてるとアルペンレーサーみたいだなあと思って。でも今はヘルメットの上ですね。理由は外国の人っぽいから! あと1回で脱げるんですよ。ヘルメットを取るとゴーグルも一緒に外せる。すごい楽なんでおすすめです」 野沢温泉スキー場をベースにする彼女らしい回答です。海外の方を参考に、お手軽さからヘルメットの外に1票です。

 次は2018年、平昌オリンピックアルペンスキー・女子大回転に出場された石川晴菜さんです。「ゴーグルはヘルメットの上に装着します。アルペンスキーのレースでは、風の抵抗まで考えてヘルメットを極力小さくし、ニットなども下に被らないようにしていたため。フィット感はゴーグルをヘルメットの外に装着した方がいいと感じます」アルペンの選手らしい正統派です。競技の特性上、ヘルメットのサイズまで気にする必要があるのは初めて知りましたね。

ファッション性と実用性からヘルメットの中に

 スノーボーダーにも聞いてみましょう。2002年、ソルトレークシティーオリンピックスノーボード・ハーフパイプの選手であった橋本通代さんです。「ゴーグルはニット帽をかぶって、ヘルメットの下に着用しています。理由として、現在は軽井沢でレッスンを行っているので、レジャーとして滑りにくる方がほとんどです。ヘルメットがより普及していくためにファッション性を取り入れることも大事かと思っています。あと、ヘルメットの上だとゴーグルのゴムが伸びやすいのが気になります」まだまだヘルメットは普及の途中であり、ヘビーユーザーならではの視点から意見をいただいています。

●保護者目線ではどう?

子どもはヘルメットの上につけるパターンが多いとか

 プロスノーボーダーでスケーターの増田啓士さんに、親目線から意見をいただきました。

 「親目線だと断然、ゴーグルはヘルメットの上です。子どもにとってゴーグルの管理って難しいですよね。ちょっと動くとすぐに熱くなっちゃって、おでこにゴーグルしいてたらすぐ曇っちゃったなんてこともたびたび。でも、ヘルメットの上にゴーグルをしいてたらゴーグルを上げても自分の頭の湯気で曇るようなこともなくなりました。あと、ヘルメットとゴーグルを1回で管理できるところも楽ですね。親からすると手間が全然違うんですよ」

 増田さんの回答は親子で滑っているからならではの視点の回答でした。親子でスキー・スノーボードをされている方の参考にもなりますね。