夏が終わると本州の多くの一般河川での釣りが禁漁になります。それと入れ替わるタイミングで増えているのが、河川の特定の区間に設けられた冬季釣り場です。一年中釣りが楽しめる管理釣り場もありますね。自宅から少々離れた釣り場をハシゴしながら、冬のフライフィッシングの旅に人生初の“コンテナホテル“を利用してみました。

■コンテナホテルに泊まって、釣り旅へ

 筆者は長野に住んでおり、近くには一年中釣りができる犀川(殖産エリア)があるのですが、ときに普段と違う釣り場に訪れるのも楽しいものです。初日は埼玉県秩父市の「秩父さくら湖」浦山ダム下にある「秩父フライフィールド」へ。翌日は群馬県前橋市の県庁前を流れる利根川の「利根川冬季ニジマス釣り場」へ、真冬の釣り旅に出かけてきました。ちょうど間くらいにある場所で宿泊を考えたのですが、ネット検索して浮かんできたのが、本庄市にある「HOTEL R9 The Yard」でした。いわゆる“コンテナホテル”です。

 仕事柄、野宿した方がマシなような異国の宿から高級リゾートまで、国内外のいろんな宿泊施設に泊まってきましたが、コンテナに泊まるのは初めてです。釣りを楽しみながらもどんな感じなのか非常に気になっていました。

コンテナホテルを展開するHOTEL R9 The Yard:https://hotel-r9.jp/brands/theyard/

■残照に浮かぶコンテナは “秘密基地” の趣き

「秩父フライフィールド」で釣れたニジマス。初めての釣り場は難しいですが、挑戦する楽しみがあります

 秩父フライフィールドを発ったのは、すっかり夕方になってからでした。午後遅くなってから釣れ出したので、つい夢中になって遅くなってしまいました。冬の夕暮れは早く、本庄市のコンテナホテルに到着した時には、暮色の空が見事なグラデーションを見せてくれていました。

「HOTEL R9 The Yard」のエントランスからの眺め。まさにマジックアワーの最中に到着しました

 コンテナホテルに泊まるのが初めてなのは冒頭に書きましたが、実は見るのも初めてです。外装は新しく塗装されており、すっきりとした見た目がスタイリッシュです。同時にどこか“秘密基地”みたいな趣きに心くすぐられます。下を覗くとジャッキに支えられたシャーシにはタイヤも付いており、紛れもなくコンテナです。無骨なコンテナが整然と並び、夕闇に浮かび上がる様子は妙にフォトジェニック! 暗くなる前にと鼻息荒く、写真撮影にすっかり夢中になってしまいました。

夕闇に浮かび上がる外観は美しく、中に入るのがもったいないくらいでした

 チェックインを済ませ、そそくさと荷物を部屋へと運びます。ホテルや旅館だと車中の荷物をひとまとめにするのも面倒なのですが、車をすぐ前に停められたので、何度か行き来するのも全く苦にならないので、楽。気を抜きすぎたのでしょう、うっかりインロックしてしまったのはここだけの話です……。