三大流星群のひとつ、12月の「ふたご座流星群」が、2023年は最高の条件で観測できることをご存じだろうか。

 新月の時期と「ふたご座流星群」のピークが重なるため、月明かりに邪魔されない貴重な年となった。天文台の勤務経験を持つ星空好きの筆者が、2023年の「ふたご座流星群」を100%楽しむ方法をご紹介する。

■流星群とは何か

年間を通して、主な流星群は10以上ある(画像:山下直人)

 流星群とは、毎年同じ時期に多くの流れ星が見られる現象だ。年間を通して発生するが、主なものだけでも10以上ある。夜、流れ星を見つけたら、それは何かしらの流星群かもしれない。

 流星群には「放射点」と呼ばれる、流れ星が発射される点があり、放射点がある位置の星座名をとって、「ふたご座流星群」「ペルセウス座流星群」などと呼ばれる。

 そして、数ある流星群の中でも毎年安定して多くの流れ星を観測できる流星群は「三大流星群」と呼ばれる。

 1月の「しぶんぎ座流星群」、8月の「ペルセウス座流星群」、そして12月の「ふたご座流星群」だ。

■今年の「ふたご座流星群」が最高なわけ

美しい満月も、流星群観測には悪影響だ(写真:山下直人)

 流星群の観測条件は、月明りに大きく左右される。月が明るすぎると、流れ星が見えづらくなるからだ。
このため、流星群の時期が満月に近い場合は「はずれ年」、逆に月明りのない新月に近い場合は「当たり年」と呼ばれ、これは年によって違う。

 今年のふたご座流星群の極大(最も流れ星が多く見られる日時)は、12月15日の午前4時頃。このときの月は新月に近く、月の入りが最も遅い沖縄県でも19時には月が沈むため、夜の観測に月明かりの影響はほとんどないと言っていい。2023年のふたご座流星群は、まさに当たり年だ。