2月初旬に関東地方を襲った警報級の大雪は記憶に新しい。首都高速は全線で通行止めとなった。都心でも積雪が記録されたのは近年では珍しいが、そうなると気になるのは山の状況だ。普段は積雪が滅多にない山にも雪が降り、登山に出かけるには登山道がどうなっているのか気になるところだ。

 今回は大雪の1週間後に訪れた「御岳山」登山レポートを積雪の情報などと合わせて紹介したい。登りやすく人気の山が、積雪でどのような状況になったのか参考にしていただきたい。

■関東屈指の人気の山「御岳山」

 御岳山(みたけさん)は、東京都青梅市にある標高929mの山だ。「武蔵御岳山」とも呼ばれ、古くから山岳信仰の対象となっており、山頂には「武蔵御嶽神社」が鎮座している。登山アプリ「YAMAP」によれば「2023年に登られた山」で、関東エリアで第5位に入るほど人気の山だ。

武蔵御嶽神社の随身門。本殿、御岳山山頂へと続く(撮影:山歩ヨウスケ)

 今回のスタート地点となる御岳登山鉄道「滝本駅」からはケーブルカーが走っており、山頂までのアクセスが容易なことも人気の秘密だ。シーズン中には多くの観光客やハイカーで賑わうが、冬は人は少なめでゆっくりと散策を楽しめる 。

■滝本駅から表参道を通って御岳山へ

 さて、麓からケーブルカーで一気に山頂を目指すのもいいが、筆者は山歩きを楽しみに来たので滝本駅から山頂を目指して歩いた。

車が通れる道幅の林道が山頂付近まで続く(撮影:山歩ヨウスケ)

 麓の滝本駅からは舗装された林道を歩く。山頂付近に集落があることから、指定車両の往来もあるので気をつけながら歩きたい(一般車は通行不可)。

 道中、両サイドに大雪による積雪が残るものの、林道は除雪が入っており、安心して歩くことができた。地元の人によれば、御岳山山頂付近では50cmほどの積雪があったというから驚きだ。

 麓の滝本駅から山頂付近の集落までは50分ほど。そこから山頂まではさらに20分ほど歩く。

宿坊が立ち並ぶ集落を抜けて山頂を目指す。除雪はバッチリだった(撮影:山歩ヨウスケ)

■樹齢1000年!「御岳の神代ケヤキ」日本武尊の伝説

 武蔵御嶽神社を目指す道中、樹齢1000年で、高さ30m、幹囲8.2mの巨木「神代ケヤキ」が鎮座している。この木はその昔、日本武尊(やまとたけるのみこと)が東征の際に植えたとされている伝説が残っている。

神代のケヤキ。実際に見るとその大きさに圧倒される(撮影:山歩ヨウスケ)