近年のアウトドアブームを受け、人気が高まっている車中泊。車中泊スポットとしてまず思い浮かぶのが「道の駅」や高速道路の「PA・SA」ではないだろうか。しかし、これらの施設の多くでは「宿泊目的の利用」が認められていないのをご存知だろうか。

 今回は、意外な車中泊ができる場所や、利用する際のルールやマナー、禁止事項などを紹介したい。

■「道の駅」や「PA・SA」は「休憩施設」

アウトドアブランド「mont-bell」併設の道の駅ひがしかわ「道草館」(撮影:佐藤麦)

 車中泊スポットとしてまず思い浮かぶ「道の駅」や高速道路の「PA・SA」。トイレが利用できることはもちろん、その土地の名産品を購入したり、周辺の情報を集めたりと、その利便性が魅力だ。温泉施設やキャンプ場が併設し、公に車中泊が推奨されている道の駅などもあり、人気を集めている。

道の駅ひがしかわ「道草館」(撮影:佐藤麦)

 しかし、基本的に「道の駅」や高速道路の「PA・SA」での車中泊はNG。国土交通省のホームページには「道の駅」での車中泊について、以下のような記載がある。

 「道の駅」は休憩施設であるため、駐車場など公共空間で宿泊目的の利用はご遠慮いただいています。もちろん、「道の駅」はドライバーなど皆さんが交通事故防止のため、24時間無料で利用できる休憩施設であるので、施設で仮眠していただくことはかまいません。

(参考サイトURL:国土交通省

 このように、多くの道の駅や高速道路「PA・SA」で認められているのは、あくまでも「休憩」や「仮眠」。もちろんバーベキューコンロなどの火気使用、ゴミの放置、長期滞在といった行為は厳禁だ。

■意外な場所も?! 車中泊におすすめの場所

 では、車中泊のできる場所はどこか。

●RVパーク

車中泊で利用できる「旭岳温泉ホステル ケイズハウス北海道」の露天風呂(画像提供:旭岳温泉ホステル ケイズハウス北海道)

 まず選択肢にあげたいのが、全国に299ヵ所(2022年11月17日現在)あるRVパークだ。「快適に安心して車中泊ができる場所」として、「4m×7m程度の駐車スペースがある」「1週間程度の滞在ができる」といった8つの条件を満たした車中泊施設を「RVパーク」として日本RV協会が認定している。

車中泊で利用できる「旭岳温泉ホステル ケイズハウス北海道」のキッチン(画像提供:旭岳温泉ホステル ケイズハウス北海道)

 例えば、これからの季節スキー客で賑わう、北海道最高峰の旭岳。その麓にある「旭岳温泉ホステルケイズハウス北海道」も「RVパーク」認定施設のひとつだ(1台1泊2500円)。露天風呂つきの源泉かけ流し温泉、ゲスト専用ラウンジやキッチンを利用でき、長期滞在も可能とあって人気を集めている。

車中泊で利用できる「旭岳温泉ホステル ケイズハウス北海道」のゲスト専用ラウンジ(画像提供:旭岳温泉ホステル ケイズハウス北海道)

 全国の「RVパーク」は、日本RV協会の公式サイトから施設検索ができる。車中泊の際には、チェックしてみてはいかがだろうか。

●オートキャンプ場

「スノーピーク 十勝ポロシリ キャンプフィールド」のオートサイト(画像提供:スノーピーク 十勝ポロシリ キャンプフィールド) 

 オートキャンプ場も、おすすめスポットのひとつ。トイレや入浴施設が整備されている施設が多いのはもちろん、焚火やバーベキューといったアウトドアが楽しめるのが魅力だ。

 「スノーピーク 十勝ポロシリ キャンプフィールド」では、これからの季節、一面の銀世界の中で車中泊やキャンプが楽しめる(オートサイト冬季4000円+施設利用料400円)。アウトドアブランド「スノーピーク」が運営するキャンプ場というだけあって、焚火台やタープなどスノーピーク製品のレンタルも充実しているので、車中泊の機会に気になるキャンプギアを試してみるのもよさそうだ。