日本のサウナは、いよいよブームを通り越して新たな文化として定着してきたように感じる。従来の施設内サウナだけじゃなく、テントサウナの普及によって、海や湖などアウトドアの世界でも新たな可能性を示し始めている。

 なかでも僕が猛烈にハマってしまったのが、「川サウナ」というジャンルだ。そこで今回から、長年川を旅してきた(遊んできた)川屋としての目線と、1人のサウナ好きという目線で、「最高の川サウナとはなにか?」「究極のととのいとはなにか?」を徹底的に研究していくこととなった。

 連載1回目は、「そもそも川サウナって、なんだ?」という話をしていこうと思う。

■日本独自の進化を遂げる予感! 川サウナって、なんだ?

 川サウナとは、「川原にテント型のサウナを張り、川を水風呂とし、自然の中で外気浴を楽しむ」ものである。このたった一言で説明が済んでしまう世界を、これから長々と語っていこうといこうのが当連載。我ながら、よく企画が通ったなとビビっているが、それほど川サウナの世界は奥深く、語り尽くせない魅了が潜んでいるのである。

 そもそもだが、サウナの本場はフィンランドだ。フィンランド人と日本人は、サウナ好きなのはもちろん、控えめで謙虚な国民性まで似ている。しかしフィンランドと日本には決定的な違いがある。そう、フィンランドには山という山がなく、国土の大半は平坦な地形で、日本のような「THE 清流」という川があまり存在しないのだ。地図を見たらわかるが、ほとんどが湖か沼ばかりである(その数なんと19万個!)。

森と湖の国フィンランド。ムーミンとサンタクロースのふるさとだ

 さらに日本のサウナといえば水風呂がマストだが、フィンランドのサウナには水風呂がない。湖畔にサウナがある場合は、湖に飛び込んでリフレッシュすることもあるが、基本的には、ゆっくりおしゃべりしながら外気浴でクールダウンするのが一般的だ。

 こう考えると、美しい川が豊富で、水風呂が大好きな日本人(しかも、天然水ほど萌える)にとって、川サウナはまさに最適解のサウナスタイルなのである。日本人はなにかと“本場”というものに憧れを抱いて追いかけてしまうが、今こそ「ジャパニーズ・リバー・サウナ」というジャンルを世界にアピールするフェーズへと突入したのである!(鼻息荒くてすいません)